こんにちは、ネギチです。
あなたはクラッシャー上司に遭遇したことがあるでしょうか?
ないという方は非常にラッキーな人です。
今まさに遭遇中という方は、すぐにでも逃げられる準備をしましょう。
私は数年前にクラッシャー上司の下で働いていたことがあります。
それまでの社会人生活でも、他の上司の言動に不満を持つことがあったり、「パワハラでは?」と思ったりしたこともありましたが、今から考えればそれらは大したことではなかったんです。
本物のクラッシャー上司に遭遇したらすぐに気付きます!
これはヤバイと!!
本物には常識はまったく通用しませんし、心身ともにじわじわと疲弊させられます。
転職や異動でその場を離れるのが一番よいのですが、なかなかそうはできないという方もいると思いますので、この記事で少しでもクラッシャー上司の特徴を伝えられたらと思います。

クラッシャー上司との2年間の戦いの記録を紹介するよ!
第1部:クラッシャー上司との出会い!平穏な日々にかすめる違和感

あれは就職して数年、私が28歳のときの話です。
転機は、働いていた会社から出向の辞令が出て、親会社である東証1部上場のメーカーの一員として働くことになったことでした。
その出向先の直属の上司、それが、「クラッシャー上司」だったのです。
クラッシャー上司の第一印象は、
「見た目怖っっっ、圧がすごい!」というものでした。
年齢は50歳くらい。身長は高くはないのですが恰幅がよく、どっしりと態度の大きい座り方で、大きな声で話す人でした。かすかに色が付いたメガネの奥の眼光は鋭く、オールバックの髪型と、こだわりのありそうな上質なジャケットともあいまって、形容しがたい威圧感を放っていました。
この時点で少し気圧されていた私ですが、初日には気さくに昼食に誘ってくれたり、仕事の説明のときにも「期待しているよ」と前向きな声をかけてくれたりしました。
クラッシャー上司の経歴や実績を聞くと、その会社では出世ルートと言われている海外駐在を経験していたり、大きなプロジェクトを成功させたという輝かしい話が多く、「見た目は怖いけど、仕事はできそうだし悪い人ではないのかも」と思ったものです。

まあ、このときは…
自信過剰な人だったから輝かしい実績はだいぶ怪しい
そんな私でしたが、異変に気付くのにそう時間はかかりませんでした。
最初に「なんかおかしい…」と思ったのは、クラッシャー上司と同僚とのやり取りでした。
私は異動直後で先輩の補佐的な仕事が多かったこともあり、クラッシャー上司との接点はあまりありませんでしたが、他の同僚との会話は席にいるだけで聞こえてきます。
「だから、そんなんじゃダメだって!!!」
今日もクラッシャー上司の怒号が響き渡ります。
怒鳴られているのは私の隣の席の男性。隣の席どころか2列くらい向こうの島まで聞こえているのではないかという大声でまくしたてています。
自分が怒鳴られているわけではなくても、誰かが怒られているのを聞くのは気分がいいものではありません。
ましてや、あと定年まで10年を切ったであろう年齢のおじさんが怒られているのは、なんともいたたまれない気持ちになります。
クラッシャー上司は機嫌の良いときや相手によっては愛想がよいのですが、そうではないときは自分の思い通りにいかないとキレる爆発物みたいなものでした。
そして、爆発スイッチを押しやすいのは、前述の定年手前の同僚のようにクラッシャー上司の「ターゲット」になっている人だったのです。
第2部:忍び寄るクラッシャー上司の毒牙、ついにターゲットに…

子供のときに「爆弾ゲーム」をしたことがありますか?
何人かで円になって爆弾に見立てたボールを回していき、流れていた音楽が止まったときにボールを持っていた人がドボンになるという遊びです。
クラッシャー上司のターゲットは、まさに「爆弾ゲーム」を彷彿とさせるものでした。
理由はよくわからないのですが、クラッシャー上司のターゲットは数カ月単位で変わるんです。
先日は定年手前の同僚、つぎは別の同僚へと移り、そして、ついに私のところで音楽が止まる日が来ました。
チャラリー、チャラリラリーラー…
あるときのことです。
私が担当していた社内向けwebサイトに軽微な不具合が見つかりました。
そのサイトは半年ほど前にリニューアルをしていたのですが、そのときの対応漏れで、別のあるサイトに貼ってあるリンクが旧の名前のままになっていたというもの。
大した影響がある話ではないですし、そもそも私が担当になるより前のミスだったのですが、クラッシャー上司はこういう好機は逃しません。
「ちょっと来て!リニューアルからもう半年も経っているのに、なんでこのままになってるの?」と、水を得た魚のように責め立てるのです。
ちなみに、そのリニューアルの指揮を取っていたのはクラッシャー上司なので、むしろクラッシャー上司のミスとも言えます。
しかし、そんなことを弁明しようにも、基本的にクラッシャー上司は自分に都合のよいことしか理解しないので、ただガミガミ言っているのを聞く羽目になってしまうのです。

ゴリラに似てたから、またウホウホ言ってんなっていつも思ってたよ!
クラッシャー上司の所業は大きなエピソードがあるわけではなく、こういった小さなことが積み重ねられていきました。
些細なことでいちゃもんをつけられ、何十分もネチネチと文句を言われ、意味不明な指示をされる(指摘したらまた長引くので実行するしかない)。
これが日々繰り返され、車のタイヤの溝のように、少しずつ少しずつ、心がすり減っていくのです。
何か対処法があるかもしれないといろいろ試したりもしました。
進捗をまめに報告するようにしたり、敵ではないと思わせるために肯定するようにしたり、逆にまったく視線も合わせず関わらないようにしたり。
しかし、どれもこれといった手応えはありませんでした。
クラッシャー上司に対処法なんて存在しない、これが私の見解です。
とはいっても、メンタルがやられるという最悪の場合を想定して、クラッシャー上司を訴えられる準備は常にしていました。
会議室に呼び出されたときには、スマホの録音アプリをオンにして会話を記録する。
パワハラにあたる言動があったら、その都度「いつ」「どういった状況で」「どんなことを言われたか」のメモを残す。
半年も経った頃にはターゲットが移り、結果的には使うことはありませんでしたが気休めにはなりましたので、形勢逆転ができるお守りして記録を付けておくことをおすすめします。

ストレスで休職した同僚や、体調を崩していた同僚もいたのだ…
クラッシャー上司の口ぐせ集
- 言っていることわかる?
-
話の内容は理解しているけれど納得ができないから微妙な顔をしているときに繰り出されます。
- なんで?
-
本当に理由を聞きたいわけではないので、なんと答えても反論されます。
- 俺は聞いてない
-
いや、言ったけどね…というケースも多いです。
- 俺はそうは思わない
-
この呪文が発動されたら最後、ひっくり返すのは不可能です。
- ジャストアイデアだけど
-
本当に思いつきのどうでもいいアイデアを聞かされます。
- 俺の若いときは…
-
とにかく自分自慢が長いです。「また講演会始まっちゃった」と同僚とよく話していました。
- ちょっと来て
-
自分から来ることはなく必ず呼びつけます。そして、本当にちょっとで終わることもほぼありません。
第3部:被害者の会、クラッシャー上司の失脚を願う

「今週は◯◯さん(クラッシャー上司)出張だから平和でいいよね!」
「いや、本当にずっと出張しててくれないかな笑」
「むしろいない方が邪魔されないから仕事進むよね」
「うんうん」
時折、繰り広げられるこのような会話。
基本的には誰かの悪口で盛り上がる職場というわけではなかったのですが、クラッシャー上司については別腹でした。
共通の敵ができたら仲間になるという少年漫画脳な展開がよくありますが、現実でもまま起こることです。
グループ内のほぼ全員が多かれ少なかれクラッシャー上司の被害に遭っていましたので、共通の敵を持つことで、メンバー間の絆は強まっていたように思います。
クラッシャー上司によって心が折れそうになったとき、理不尽な要望に憤りを感じていたとき、共感してくれる仲間がいるというのはやっぱり大きかったです。
落ち込んでいたときにランチを奢ってくれて話を聞いてくれた先輩もいました。
定期的な女子会で、おいしいマルゲリータを片手に、クラッシャー上司のすべらない話で盛り上がったときもありました。

酒の肴としてはネタの宝庫!
私は出向という立場でしたので、出向元の会社にクレームを入れて戻ることもできましたし、もっと早く転職をすることもできたと思います。
それでも、私がクラッシャー上司の下で2年も働き続けたのは、自由でのんびりした社風、裁量が大きく恵まれた予算、やりがいのある仕事内容など、クラッシャー上司以外の環境がよかったということに加え、共感してくれる同僚の存在があったからです。
クラッシャー上司に遭遇したときは「逃げる」が最善手ですが、もし「戦う」コマンドを選択する場合は、共感してくれる味方でパーティを組むことをおすすめします。
第4部:そして転職へ。クラッシャー上司の末路は…?

結局、私がクラッシャー上司の下を離れたのは、2年と数カ月経ってからでした。
それも、転職理由はクラッシャー上司が原因ではなく、出向期限終了で出向元に戻ることになり、ちょうどよい機会でしたので戻るよりも転職を選んだというもの。
▼出向に関する話はこちらで紹介しています。
最後の1年くらいは多少の被害はあれど上手くやり過ごしていたと思いますし、メンタルを病むことなく脱出できたので、
実質、クラッシャー上司との戦いに勝利です!!!
私の送別会の帰り道、同僚から言われた言葉があります。
「大丈夫。ここでやれたんだから、どこに行ってもやっていけるよ!(メンタル的な意味で)」
これは、クラッシャー上司と働いたことによる唯一のメリットだと思います。
あれから転職先で無能な上司にあたったこともありました。
しかし、クラッシャー上司を思い出すと、「あいつに比べたら小物だな」と思うことができるのです。

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ちなみに、クラッシャー上司の末路はというと、私が転職をして間もなく、別の部署に飛ばされて、部下を持たないポジションになったとのことです。
パワハラが明るみに出るような何かがあったのか、明確に降格なのか、事実はわかりません。
しかし、元同僚はとても喜んでいましたし、これ以上被害者が出なくなったのは何よりだと思います。
まとめ:クラッシャー上司は本当に危険!関わらずにすぐに逃げよう
この記事では、クラッシャー上司との戦いの記録を中心に書いてきました。
- クラッシャー上司はターゲットを決めて集中攻撃をしてくる
- クラッシャー上司の対処法は存在しない
- 「戦う」よりも「逃げる」べき
- 万が一に備えて、ボイスレコーダーや記録は取る
- 被害に共感してくれる仲間がいた方が溜め込まないのでよい
- クラッシャー上司との戦いで唯一得られるのは「鋼のメンタル」
私はたまたま無事に切り抜けられましたが、クラッシャー上司は本当に心身にダメージを及ぼす危険な生き物です。

「遭遇したら逃げてもいいんだ」ということを忘れないで!
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