投資には多くの手法がありますが、近年耳にすることが多いのが「ESG投資」。
世界でも注目を集めている考え方で、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)の3つの視点に考慮して投資先企業を選ぶ手法です。
一見とっつきにくく感じますが、ESG投資は意外と初心者でもできる手法なのではないかと思っています。
今回は、ESG投資が初心者にもおすすめな理由と、「従業員を大事にしている企業」の探し方をご紹介します。

初心者だけどESG投資に興味があるという人の参考になるとうれしい!
なぜESG投資が初心者におすすめなのか?

ESG投資を簡単に言うと、
「社会課題にしっかり対応している企業はリターンが大きい」
という考え方です。
『風が吹けば、桶屋が儲かる』の論理みたいですが、
- 世間的に、地球温暖化や働き方改革といった社会課題への関心が高まっている
- ステークホルダーは企業にその対策を期待している
- 対応をしている企業には、長期保有の株主やお客様がつきやすい
- 安定した株主とお客様がいると、安定した経営ができ持続的に成長していく
- 成長した企業は株主に長期的にリターンをもたらす
という流れです。
ESG投資でポイントとなる社会課題は私たちの身近な話なので、投資初心者でも「この会社はしっかりしたESGを考えている」「この取り組みはいいね」と気づくことも多いと思います。
ここ数年でさらに機運が高まり、ESG投資をする個人投資家も増えているので、長期投資をしている人はESG銘柄に注目してみましょう!
ESG投資で「従業員を大事にしている企業」に注目する理由

ESG投資の中でも今回注目したいのは、社会(Social)の一つである「従業員を大事にしている企業」です。
なぜかと言うと、大前提として企業は「従業員」で成り立っているからです。
植物に毎日水をあげるとキレイな花を咲かせてくれるように、従業員が働きたくなるような環境を地道につくってきた企業には従業員も報いてくれます。
働きがいのある企業は、従業員エンゲージメント(愛着、誇り、帰属意識)が高くなり、
- 離職率が低く優秀な人材が減りにくい
- 一人ひとりが高いモチベーションで働けるので生産性が高い
- 従業員がいきいきと働くことで社外からのイメージが上がる
というよい状態になる傾向にあります。
従業員を大事にしていて、従業員からも愛されている企業を探してみましょう。
「従業員を大事にしている企業」の探し方
今回は、「従業員を大事にしている企業」の探し方を4つご紹介します。
1. GPTWの「働きがいのある企業ランキング」

調査機関GPTW(Great Place to Work)が、「働きがいがある会社ランキング」という調査結果を毎年公開しています。
Great Place to Work®は、「働きがい」に関する調査・分析を行い、一定の水準に達していると認められた会社や組織を各国の有力なメディアで発表する活動を世界約60カ国で実施している専門機関です。
https://hatarakigai.info/about/history.html
GPTW の歴史
ランキングの審査は申し込み制となっており、2020年版のランキングでは審査対象が499社、そのうちの155社が「働きがいがある会社」として発表されています。
申し込み制のため審査対象の企業は限られてはいますが、ランクインしている企業は働きがいという点でGPTWから評価を受けていることになるため、「従業員を大事にしている企業」を探すのに役立てることができます。
2. 就職・転職用の口コミサイト

本当に「従業員を大事にしている企業」かどうかは、その企業の従業員が一番よく知っています。
そこで、従業員の生の声を調べるときに使えるのが就職・転職用の口コミサイトです。
こういった口コミサイトは玉石混交で誤った情報が紛れてしまうことは避けられませんが、母数が多ければある程度は参考にできるデータになると思います。

今まで経験した3社の口コミを見ると、わりと合っている印象だよ!
有名な口コミサイトとしては、オープンワーク、転職会議、キャリコネが挙げられます。
就職・転職のときに口コミをチェックするように、株を買うときにも「本当に従業員によい企業かな?」とチェックしてみてはいかがでしょうか。
3. 社内報コンテストの受賞結果

社内報は、皆さんの会社でも配られることがあると思いますが、従業員向けに会社の最新情報、経営状況、部署・従業員情報などを伝えるためのインターナルコミュニケーションツールです。
社内広報を専任でやっていた経験から言いますと、社内報のレベルが高い企業は従業員を大事にしようと心がけている傾向にあると思います。
広報は社外向けの仕事だけでもやるべきことが多いのにも関わらず、従業員をターゲットにした社内報にリソースを割いているということは、しっかりと従業員とコミュニケーションを取ろうとしている企業だと判断することができます。
社内報を評価するコンテストとして、有名なものとしては下記が開催されていますので、受賞している企業を投資対象としてチェックしてみるのも面白いのではないでしょうか。
ウィズワークス「社内報アワード2019」結果発表
2019年度「経団連推薦社内報」表彰一覧
4. 企業の公式サイト・会社案内

企業サイトや会社案内といった発行物から情報を得るという手段もあります。
基本的には社外のステークホルダー向けに作られているものですが、最近ではESGを意識して従業員向けの取り組みを掲載している企業も少なくありません。
たとえば、福利厚生、健康増進の取り組み、働き方改革、社内風土について、どのように考えていて、実際には何をしているのかを読み取れるはずです。
まとめ:ESG投資は初心者にもおすすめ!「従業員を大事にしている企業」は将来性が高い
この記事では、ESG投資が初心者にもおすすめな理由と、「従業員を大事にしている企業」の探し方を紹介しました。
ESG投資が初心者にもおすすめな理由
ESG投資でポイントとなる社会課題は私たちの身近な話なので、投資初心者で専門的な株の知識がなくても考えやすいから。
「従業員を大事にしている企業」の探し方
- GPTWの「働きがいのある企業ランキング」を見る
- 就職・転職用の口コミサイトで調べる
- 社内報コンテストの受賞企業を見る
- 企業の公式サイト・会社案内からESG情報を読み取る

ESG投資に興味が湧いた人は、従業員を大事にしている企業をぜひ探してみてね!
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