こんにちは、広報ウーマンのネギチです。
日本ではまだまだ大学院に進学する女性は少数派ですよね。
大学進学は一般的になりつつありますが、大学院というと敷居の高さを感じてしまうという人も多いと思います。
「大学院に興味はあるけど、学部卒で就職した方がよいかな…」
と悩んでいる人もいるのではないでしょうか?
私も大学のときに同じように悩み、結局は大学院進学を選びました。
大学院での2年間は人生の中でもとても楽しく、本当に進学してよかったと思っているので、その体験を伝えたいと考えました。
この記事では、大学院進学を考えるときに不安に思うこと、大学院進学を勧めたい理由を紹介していきます。

悩んでいる女子の参考になったらうれしい!
女子大学院生はどれくらい少ないの?

なんとなく少なそうという印象がある女子大学院生ですが、実際はどれくらいの割合なのでしょうか。
男女共同参画局が発行している男女共同参画白書(令和元年版)によると、大学院進学の女子はわずか5.8%。
http://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r01/zentai/html/zuhyo/zuhyo01-00-01.html
男女共同参画白書(令和元年版) 学校種類別進学率の推移
大学院進学の男子は14.8%なので、男女比は約7:3と大きな開きがあります。
大学進学率は男子が56.3%、女子が50.1%とほとんど男女差がなく、大学でも同じ教育を受けているはずなのにここまで差が出るのはなぜでしょうか?
そもそも大学進学率が高い理工系学部に男子が多いというのはあると思いますが、それ以外にも大学院進学を妨げる心理的要因があるからだと思います。
女子が大学院進学を考えたときに不安になること

周りの「女の子にそんなに学歴はいらないよ」論
男女平等が叫ばれるようになって早30年、残念ながら日本はまだまだ男女平等な国ではありません。
働く女性も増え、男性の育休も推進されるようになり、頭では男女平等を理解しようとする人が増えてはいますが、無意識に「男なんだから」「女なんだから」という固定観念を持ってしまっています。
女子が大学院に進学しようとすると、かなりの確率で聞けるのがこのセリフ。
「女の子なのに大学院まで行くの?」
言っている本人には悪気はないのかもしれませんが、大学院進学を迷っている状況ではこういった言葉は知らず知らずのうちに重りになっていきます。

まったく関係ない親戚のおばさんあたりが繰り出してくるよ!
学費を出してくれる両親はもちろん、友人、先輩・後輩、彼氏、教授、周りのいろいろな声が気になるのはわかりますが、一番は「自分がどうしたいか」だということを忘れず決断してもらえたらなと思います。
院卒女子は就職に不利になる?
「院卒女子だと就職が不利」という説を耳にしたことがありますが、これは厳密には誤解だと思います。
就職活動中に学部卒か院卒かが重要視されているとは感じませんでしたし、入社後は学部卒よりも院卒の方が初任給や等級を高く設定している会社が多いので、むしろ有利になる可能性の方が高いです。
ただ、不利になるという説が存在するのにも理由はあり、それは「あまりレベルが高くない会社を受ける」場合です。
レベルが高くないというと語弊がありますが、要は学生からの人気がなく、高学歴な社員を扱い慣れていない会社です。
そういう会社の場合、
- うちは滑り止めだろうな…内定だしても断られそう
- 院卒の社員とかいないし、なんかやりにくそう
- 女性社員は雑用をしてくれればいいから、高学歴とかいらないんだよね
という理由で敬遠されることもあるでしょう。
しかし、院卒女子はお茶出しをさせられるような会社ではなく、知能や技術を生かせる仕事をさせてくれる会社を望むと思いますので、このケースは特に気にする必要はありません。

こういう会社を誤って受けてしまったら全力で逃げよう
・院卒女子は結婚に不利になる?
就職以外にも気になるのが、院卒女子の結婚事情ではないでしょうか。
院卒女子は結婚する割合が高卒や大卒に比べてやや低いというデータがあります。
その理由は大きくわけて3つあると思います。
結婚を考えるタイミングが遅い
浪人や留年をせずにストレートに進んだとして、大学院の修士課程を修了するのは24歳。
就職して数年は仕事に集中し、慣れてきた頃には自由になるお金もでき旅行や趣味を満喫、気がついたら30歳手前で周りの友達は結婚ラッシュなんて人も少なくないでしょう。
早くから社会に出ている人に比べると、結婚を意識する時期が遅くなり、タイミングを逃してしまうというのが原因の一つだと思います。
結婚しなくても生活していける
院卒女子は平均よりも高い収入を得ている場合が多いです。
結婚しなくても生活は困らないため、婚活に対する本気度が薄く、「よい人がいたら結婚したいけど、無理をしてまで結婚したくない」と考える傾向にあります。
学歴や年収がネックになる
女性は自分より学歴や年収が上の人を好みがちですが、院卒女子が同じように考えると、高学歴高年収の競争率が高い男性を狙うことになってしまいます。
仮に学歴や年収は気にしないという人でも、男性側が「自分の方が低いのはちょっと…」と気にする場合があるので、どうしても範囲が狭まってしまうのが現実です。
一方で、院卒女子は学生時代に男友達をつくりやすい環境ですし、むしろ有利な面もあるでしょう。

ちゃっかり仕事も恋愛も手に入れてる人も多いよね!個人のポテンシャルによるとしか言えない
大学院進学をおすすめしたい理由

2年間のモラトリアム期間を手に入れられる
「まだ働きたくない」、こんな理由で大学院進学を考える人もいると思います。
ネガティブに取られがちですが、こんな理由も悪くないのではないでしょうか。

私も半分くらいこんな理由だったよ!
定年まで働く人は40年も働くことを考えたら、2年くらい回り道しても問題はありません。
社会に出るのが2年遅れても、能力的にも金銭的にも追いつくことはできます。
2年間、ゆっくり自分を見つめ直し、社会に出るための準備に充てるのは十分価値のある選択だと思います。
やりたいことを自由にできる時間は本当に貴重
大学生活は「人生の夏休み」とも言われるほど特別な期間です。
高校までは受験のための勉強に追われ、就職したら会社や生活のために働きます。
自分のために自分のやりたいことをやれて、何かに挑戦しても失敗しても世間から温かい目で見られる「学生」という身分は最強だと思います。
特に女性は、家族を持つと自分の時間がほとんど取れなくなることが多いので、もっと勉強したいことがある、研究を続けたいといった気持ちがある人は、ぜひ大学院で思いっきり自分がやりたいことに邁進してほしいです。
やり切った努力と達成感は、就職してからも自分の糧になると思います。
研究室生活が楽しい
院生は学部生の頃よりも講義が少ないこともあり、研究室にいる時間が長くなります。
これは研究室にもよるかもしれませんが、私がいた研究室では仲がよかったこともあり、同期や先輩・後輩とわいわいご飯を作ってパーティをしたり、泊まりがけの合宿に行ったり、謎のパズルブームが起きてみんなで巨大パズルを組み立てたり、とても楽しく過ごしました。

アオハルか!
もちろん遊んでばかりではなく、研究分野に関する夢のある話を熱く語ったり、研究で行き詰まったときにはアドバイスをしあったり、論文発表が近づいたら一緒に遅くまで残ったりと、個人の研究でしたが心強い仲間がいるという気持ちでした。
まとめ:女子の大学院進学のデメリットはあまりないし、興味のある人にはおすすめ
女子の大学院進学率が5.8%と低い理由には、
- 女子に学歴はいらないという周りの声に左右される
- 院卒女子は就職や結婚に不利になるのではと不安がある
という影響があります。
しかし、院卒だということで損になることはほとんどないので、大学院に進学したいという女子は不安を感じる必要はないと思います。
2年間のモラトリアムをゆっくり過ごすもよし、自分のやりたいことに没頭するもよし、研究室の仲間との楽しい生活を送るもよし、あなた次第で大学院生活はとても有意義なものになるでしょう。
コメント