こんにちは、広報ウーマンのネギチです。
新型コロナウイルスの影響で、驚くべきスピードでテレワークが浸透していますね。
当社にもついにテレワークの波が来ました。
いまだに紙申請が横行していて、あと10年はテレワークとは無縁だと思っていたので感慨深い気持ちです。
しかし、広報担当としては、テレワークの浸透が「会社としての一体感」の欠如につながるのではないかという懸念があります。
テレワークが活性化している今だからこそ、会社と社員を、社員同士をつなぐ架け橋になれるよう、インターナルコミュニケーション(社内広報)も変わるときが来ているのではと考えます。
3年にわたりインターナルコミュニケーション専門のチームで働いてきた経験を基に、「テレワーク時代のインターナルコミュニケーション」について語っていきます。

インターナルコミュニケーションの担当者の参考になったらうれしい!
インターナルコミュニケーション(社内広報)の役割
そもそもインターナルコミュニケーションってどういうものかご存知ですか?
私は担当している仕事の話をすると、かなりの確率で「ああ、社内報を作っている人ね!」と言われます。

間違ってはいないけど、それだけじゃないんだな
確かに社内報はインターナルコミュニケーションの中でも主軸となる活動ですが、私たちがつくっているのは社内報単体ではなく、社内報の先の、社内報を読んでくれた人から生まれるコミュニケーションです。
- 「社長のメッセージを読んだら、なんとなく会社の方向性がわかったかも」
- 「社内でこんな活動してたんだ」
- 「あ、この前の社内報で紹介されていた人だ!」
こういった小さなきっかけが、社員と経営層を、社員と他の社員を、社員と社会をつなぎ合わせます。
このように、社内のコミュニケーションを活性化させ、会社に対して信頼できる、共感できる、愛着がある、貢献したいといった気持ちを育てるのが主な役割です。
いわゆる「従業員エンゲージメント」の向上というやつですね。
高いエンゲージメントの社員はやりがいを持っていきいきと働き、会社にも大きな貢献をしてくれるので、社員のエンゲージメントを上げていくことが重要になります。
ちなみに、社内報は手段の一つなので、その時々に合わせて、webやリアルの場などを組み合わせて情報発信をすることが多いです。
広報視点のテレワークのデメリット
テレワークは通勤時間をゼロにできる、集中して仕事ができる、コストを削減できるといったメリットがある一方、いくつかのデメリットもあります。

広報視点でのテレワークのデメリットはこちらの2つ
- 会社の情報を取得しにくくなる
- 社員間のコミュニケーションが減る
会社の情報を取得しにくくなる
会社にいると、
- 歩いているだけでイベントポスターが目に入る
- 同じフロアの人の入れ替わりに気づく
- 新入社員がわいわいしているのを見て春を感じる
など、意図していなくても日々たくさんの情報が入ってきます。
しかし、テレワークでは自分から能動的に取りに行かないと、会社の情報を入手できません。
気がついたら、自分の業務周りのことしかわからず、会社と距離ができていたということになる危険性があります。
社員間のコミュニケーションが減る
会議の前後の雑談、通りすがりの挨拶、ちょっとした立ち話、お昼休憩の会話。
こういったものが、仕事のヒントになったり、気軽に相談しやすい人脈をつくれたり、ストレス発散になることがありますよね。

ささいなことだけど、仕事を回す上で意外と大切だよね!
しかし、テレワークになるとコミュニケーションが減るため、人間関係がギスギスしたり、仲間意識が薄らいだりすることが危険視されています。
テレワーク時代のインターナルコミュニケーション
テレワーク時代に強いインターナルコミュニケーションをつくるためには、テレワークの社員を「経営層」「他のテレワークの社員」「テレワークをしていない社員」「社外」の4方向とつなぐことが重要です。
1. 経営層の頭の中を「見える化」する
社員が会社に対して一番不安を感じるときは、会社の方針や目指す姿がわからないときです。

コロナの影響が大きい今は、会社が大丈夫か心配になるよね…
特に、テレワークが浸透した状況では、社内の空気感で感じ取ったり、たまたま経営層と会話したときに知ったりということもなくなります。
全社員が共通認識できるよう、会社の方針と目指す姿を明確に伝えることは必須と言えるでしょう。
また、経営層を目にする機会がテレワークによって減るため、単純接触による好感度が下がる懸念があります。
経営層と社員の間に距離ができることを防ぐためには、経営層が大事にしていることだったり、普段考えていること、人となりを共有していくとよいでしょう。
社長ブログのような柔らかめのコンテンツは共感を生みやすく効果的です。
2. 社員同士がオンラインでゆるくつながれる場をつくる
情報発信の手段は大きくわけて、「紙」「web」「Face to Face」の3つがありますが、テレワークの社員に情報を届けることを考えると、どうしても「web」での情報発信に偏ります。
「紙」は郵送や会社に来たときに受け取ってもらう手もありますが、イベントなどの「Face to Face」は同じタイミングで社員に集まってもらう必要があるためハードルが高くなってしまいがちです。
そのため、今までは「Face to Face」が担うことが多かった、一体感を醸成する参加型のコミュニケーションを「web」上で擬似体験してもらえるような仕組みづくりが必要だと考えます。
たとえば、
- オンラインランチ会、オンライン研修、オンラインイベントを企画して、社員同士がつながれる場をつくる
- 社内SNSやグループチャットを活用しやすい風土をつくる
- web社内報を双方向にし、いいね!やコメントによって共感をつくる
どういった方法が適切かは、社風や規模にもよりますが、重要なポイントは「ゆるく」つながれる場にすることです。
強制参加のオンラインランチ会や、コメント記入を強要される社内報とかは苦痛感があり、むしろ逆効果になりかねないので、その点に注意しましょう。

強制イベントは人見知りには地獄だからね…
3. テレワークの社員とそうでない社員のどちらの頑張りも共有する
社内でテレワークが浸透してきたときに気にかけるべきなのは、テレワークでは仕事にならないため出社をしている社員のことです。
毎日出社している社員から見ると、
- 「あいつらだけ楽できていいよな」
- 「テレワークとか言ってるけど、ちゃんと働いているのかな」
と不満に思うこともあると思います。
そのような不満が大きくなっていくと、テレワークの社員とテレワークでない社員の心理的な距離が広がってしまいます。
対策としては、
- テレワークの社員がどんなことをしているのか、どんな苦労があるのかを知ってもらえるコンテンツを発信する
- テレワークではない社員の取り組みによって会社が回っていることを讃えるコンテンツを発信する
ということが考えられます。
仕事内容や働き方が違っても、同じ方向に向かっていることを地道に伝えていくのが一番ではないでしょうか。

私のようにメーカー勤務だと、オフィスの社員と工場の社員がいて、会社の核となるものづくりをしている社員はテレワークにはならないから、特に重要な課題だと思っているよ!
4. 社外の情報も率先して情報共有する
社内との接点だけではなく、社外との接点をつくることも重要な施策の一つです。
社員が社外の動きに関心を持つことは、社員のモチベーションアップにつながるだけではなく、回りまわって仕事に生きてくることがあります。
社会動向や経済、他社情報、トレンド、仕事とは関係ないけど話のタネになる小ネタなど、社外情報も共有してみるとよいでしょう。
自社と関わりが深いネタは新規でコンテンツにするのもよいですが、社外によいコンテンツはたくさんあるので、リツート的に社員に紹介するだけでもよいと思います。
テレワークで通勤時間が減った今だからこそ、多くの情報に触れて、何か新しいことに興味を持ってもらえるとよいですね。
まとめ:テレワークの社員を4方向とつなぎ、共感やコミュニケーションを生み出す
まとめると、テレワーク時代のインターナルコミュニケーションでは、テレワークをしている社員と「経営層」「他のテレワーク社員」「テレワークをしていない社員」「社外」の4方向をつなぎ、共感やコミュニケーションを生み出すことが重要です。
4方向とつなぐ方法として、下記を紹介しました。
- 経営層の頭の中を「見える化」する
- 社員同士がオンラインでゆるくつながれる場をつくる
- テレワークの社員とそうでない社員のどちらの頑張りも共有する
- 社外の情報も率先して情報共有する

インターナルコミュニケーションで社内を盛り上げていこう!
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