【体験談】ユーザー系Sierって本当にホワイト?約4年勤めた元SEが本音を語る!

こんにちは、元SEの広報ウーマンのネギチです。

IT企業への就職や転職を考えている人は、Sier(エスアイヤー)も候補に入れているという人が多いと思います。

そんなときに気になるのが、「SEはブラックって聞くけど実態はどうなんだろう」ということではないでしょうか。

私はユーザー系Sierで新卒から約4年働いていたので、そのときの経験を基にユーザー系Sierについて紹介したいと思います。

ネギチ

就職や転職を考えている人の参考になったらうれしい

目次

そもそもユーザー系Sierってどんな会社?

ユーザー系Sierの特徴

Sierはユーザー系、メーカー系、独立系の3つにわかれます。

ユーザー系Sierは、金融・電力・保険・商社・メーカーなど、大手企業の情報システム部門が独立したIT系子会社です。

ユーザー系の魅力は何といっても「安定感」。

親会社から仕事を受注している場合が多く、仕事がなくなるといった危機感はあまりなく、まったりと働けるという印象が強いのではないでしょうか。

ユーザー系Sierに入社するのは難しい?

Sierと一口にいっても会社によって就職難易度は大きく変わりますが、ユーザー系Sierはどこも入社難易度は高めだと思います。

私が働いていたのは、就職版などでは下位の方に書かれている会社でしたが、それでも国立大学卒やMARCH以上の私大卒の人で8割以上は占められていました。

ユーザー系はホワイトと言われがちなこともあり学生からの人気が高い上に、募集人数が多いわけではないので高倍率になりがちです。

ネギチ

周りもIT企業を志望している学生が多かったけど、やっぱり人気なのはweb系、Sierだったらユーザー系かメーカー系の会社だったよ

ユーザー系Sierで働いてわかったこと

実際にユーザー系Sierで働いてみて、気づいたこと、イメージとギャップがあったこと、ユーザー系Sierを目指す人に知ってほしいことについて書いていきます。

ユーザー系Sierの仕事内容

私が働いていた会社では、業務システムの開発・運用とITインフラの構築が主な業務でした。

ほぼ内販ということもあり、親会社での仕事をより効率的に高品質にするためのシステムをつくるのがメインでした。

若いうちから上流も下流も経験できる

大手では分業制になっているところも少なくないですが、規模が大きくないSierだったこともあり、お客様へのヒアリングから、要件定義、設計、プログラミング、テスト、リリース、運用まで何でもやりました。

一通り経験があるというのは、別のIT企業に転職を考えるときにもプラスになるので、最初に入る会社としては悪くないと思います。

SEには意外とコミュ力が必要

「SEはパソコン仕事だしコミュニケーション能力はなくても大丈夫でしょ」と思っている人もいるでしょう。

私もコミュ力がないので、あまり人と会話しなくてもよさそうという点もSierへの就職を決めた理由の一つでした。

しかし、私の働いていた会社では営業がいないこともありSEが直接お客様とやり取りをして、どういったシステムをつくるか打ち合わせをする必要がありました。

ITにまったく詳しくないお客様にもわかりやすく説明ができたり、相手の要望の背景の部分を聞き出したりするコミュニケーション能力が求められます。

企画業務はできない

親会社のシステム部門や各部門からの依頼に沿ったシステムを作ることがほとんどなので、自分で企画から考える機会はほぼありませんでした。

私もそうだったんですが、自分で考えたものを形にしたい、自分のアイデアで勝負したいという人にはつまらなく感じるかもしれません。

企画メインのITの仕事をしたい人は、Sierよりも企業の情報システム部門かweb系に就職した方がよいと思います。

プログラミング能力はなくてもどうにかなる

Sierというとプログラミング能力は必須な印象ですが、ユーザー系Sierではプログラミングは外注することも多いのでできなくてもどうにかなります。

プログラミングがわかった上ではないとできない提案もあるので、もちろんできるに越したことはないですが、実際にプログラミングは研修以外でやったことがないという先輩もいました。


ネギチ

決められたゴールに向けて、計画を立ててマネジメントをしていくのが得意な人に向いているよ

ネギチ

戦略や企画から考えたい人や、技術をとにかく磨きたいという人は別の道を探した方がよいかも

ユーザー系Sierの将来性

Sier業界全体の将来性

IT業界ではSierはオワコンだと言われることもありますが、システム開発の需要が途切れることはしばらくなさそうなので、そこまで将来性を悲観することもないと思います。

AIに代替される仕事にプログラミングなどはよく挙がりますが、Sierの仕事自体が代替されるというレベルまで来るのはずっと先の話でしょう。

特定のユーザー系Sierの将来性

今までは大企業の親会社が安泰だからユーザー系Sierも安泰と考えられてきましたが、その図式は変化を見せるかもしれません。

そもそも大企業が安泰という前提が揺らぐ可能性が高く、AIの波や変化に耐えられない企業が多く出てくるでしょう。

内販メインな会社も、外販を広げたり、既存の領域だけでなくIoTやビッグデータなど今後需要が高そうな領域の技術を高めたりする変化は必要になるでしょう。

ユーザー系Sierからの転職

ユーザー系Sierから転職したくなった場合は、どんな職種に転職できるのかというのも気になるところでしょう。

SEは専門職なので、ITスキルを生かして他のSier、webエンジニア、社内SE、ITコンサルタントに転職することは十分現実的です。

IT以外の職種を狙う場合、人事、総務、経理、経営企画、広報、生産管理、調達などの間接部門もおすすめです。

SEとしてシステムをつくるときには、どういう目的の業務なのか、どういった流れで進むのかを理解していないとつくれないため、たとえば経費処理システム担当でしたら経理業務について、生産管理システム担当でしたら生産管理業務について知識が付いていきます。

間接部門でも、業務システムをつくったり、情報発信用にサイトを運用したりとIT人材は必要とされているので、業務知識があるIT人材は需要が高いと思います。

▼ SEの異業種への転職については、下記の記事でも紹介しています。


ネギチ

今からユーザー系Sierを目指すなら、親会社が本当に安泰かと、変化に耐えられそうなSierかの2点をチェックしてね!

ユーザー系Sierの働きやすさ

職場の雰囲気はまったり

ユーザー系Sierに就職する人は、一定以上の学歴、最低限のコミュニケーション能力がある場合が多く、職場の雰囲気は悪くはない傾向にあると思います。

私が働いていた会社は、まったり働きたい穏やかなタイプが多く、社員同士も仲がよかったです。

給与は世間平均より多め

ユーザー系Sierでは、親会社の年収の7~9割くらいの会社が多いと聞きます。

新卒では親会社とほとんど変わらないので、若いうちは大きくは変わらず、歳を取るにつれて差が広がっていくのでしょう。

私は27歳で年収500万円に到達しましたし、同年代の平均に比べたら給与はもらえます。(残業分が大きかったけど)

休日・福利厚生は大企業水準

勤務カレンダーや福利厚生は親会社とほぼ同じという会社が多いです。

大企業では年間休日は120日以上で福利厚生も充実しているところがほとんどなので、ユーザー系Sierでもそれに準ずる待遇が期待できます。

有給休暇も取得がしやすく、年間10日以上の取得が推奨されていたので、それくらいは取っている人が多かったです。

実際に、休日や福利厚生は大企業並みで、不満はなかったです。

残業は多い

Sierへの就職で一番不安な残業ですが、やはり一般企業に比べると多いです。

部署やグループによっても差がありましたが、月100時間の残業をしている人もいましたし、残業が慢性化している部署もありました。

私も月に70時間近く残業があったときは、「ユーザー系がホワイトとかデマじゃん」と思っていました。

一方で、残業代は100%支給されていて、深夜残業や休日出勤もきっちり割増手当がついたので、残業代で稼ぎたい人にはよい環境とも言えます。

最近の方が残業規制が厳しくて残業できないと聞いたので、環境は改善されてきているのかもしれません。

本社勤務が多いが、親会社への常駐もあり

内販メインのユーザー系Sierでは、勤務地は本社か親会社のどちらかになることが多いです。

私が働いていた会社では、8割が本社で2割が親会社に駐在していました。

駐在といっても、グループやチーム全体で親会社に移動するので、仕事内容や指示系統はそのままで場所だけ変わるイメージです。

客先常駐の闇みたいな話は聞いたことがなかったので、本社勤務と働きやすさに差はなかったと思います。

女性が働きやすい環境

Sierの中では、ユーザー系は女性比率が高めだと思います。

私がいた会社では、若手では3割くらいは女性がいましたし、女性だからといって業務内容や給与に差はありませんでした。

結婚や出産をしても仕事を続ける女性が多く、女性が働きやすい業界ではあると思います。


ネギチ

働きやすさの面では全体的に恵まれているよ!
残業面だけ妥協できるんだったらおすすめ

まとめ:ユーザー系Sierは比較的ホワイト!SE職を目指す場合はおすすめできる

この記事ではユーザー系Sierの特徴について体験談を中心に書いてきました。

ユーザー系Sierは、

  • 入社難易度が高め
  • 仕事内容は依頼されたシステムをつくる
  • コミュ力が必要
  • 将来性は会社が世の中の変化に対応できるか次第
  • 残業は多い傾向
  • 給与、休日、福利厚生は高水準

という特徴がありますが、トータルでみると比較的ホワイトだと思います。

私が働いていた会社の話がメインなので、他のユーザー系では全然違うよという箇所もあるかもしれませんが、参考にしてもらえたら幸いです。

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