こんにちは、ネギチです。
私は今までメーカー2社で広報業務を担当し、どちらの会社でもweb社内報の運用に携わってきました。
社内報は紙で配布している会社が多いと思いますが、年々web社内報も運用している会社が増えてきていますね。
そんな流れに乗り、弊社でもweb社内報導入の検討を始めたのですが、
なんせ弊社は広報予算が厳しい!

数千人規模の会社とはとても思えないくらい厳しい
いかに予算をかけずに、よいweb社内報を導入するかに頭を悩ませたので、その記録を共有して役立ててもらえたらと考えました。
この記事では、
- 会社でweb社内報の導入を考えている
- 導入はしたいけど予算があんまりない
という広報担当者向けに、低予算で実現できるweb社内報の作り方を紹介します。
予算ゼロで始まった「web社内報プロジェクト」

「webでも社員向けに情報発信した方がよくない?」
上司がこんなことを言い出したのをきっかけに始まった当プロジェクト。
当社では、紙の社内報は3カ月に1回の発行で、タイムリーな情報発信ができていないというのは以前から課題として挙がっていました。
しかし、当社はお金だけではなく広報の人員も不足しているので、web社内報もやりたいなとは思いつつ優先度からすると来年度以降の予定でいました。

言われなくてもわかってるけど手回らないって状態ですよ
そんな状況のため、プロジェクトとは名ばかりで、専門のメンバーがアサインされるわけでも適切な予算がつくわけでもありません。
つまり、人も予算もノウハウもないけど、web社内報を新しく立ち上げて運用してねという無茶振りプロジェクトだったのです。
独力でのweb社内報サイト制作

web社内報をつくるときに検討しなければならないことは、
- どういう内容を発信するか
- どこの環境にwebサイトを構築するか
の大きくわけて2つです。
企画からコンサル的に相談に乗ってくれ、使いやすいwebサイトを用意してくれて、運用面でも代わりに記事を書いたり動画編集をして更新作業をしてくれる、そんなフルバックアップのサービスを提供している会社も世の中には存在します。
予算が潤沢にある会社の担当者でしたら、こういったサービスを活用し、広報担当者は社内でしかできないような企画や情報収集に注力するのもありだと思います。

う、うらやましい…
しかし、今回は予算ゼロプロジェクトですので、当然こういった至れり尽くせりのサービスは利用できないため、独力で下記のように進めました。
どういう内容を発信するか
内容を考えるにあたり、まずはベンチマークとして他社のweb社内報について調べました。
社内報は社員しか見れない会社が多いため情報収集は苦戦しがちですが、web社内報の担当者インタビュー記事をチェックしたり、交流のある他社広報に教えてもらうことで情報を収集。
最近では社員だけではなく社外のステークホルダーにも見てもらおうと、web社内報を公開している会社もあるので、こういったサイトを参考にしました。
ベンチマークの調査結果としては、更新頻度が高めで、作り込むよりもタイムリーにアップできるような記事を作っている会社が多かったです。
その一方で、内容のコンセプトは、人がメインだったり、最新ニュースに特化していたり、手厚く複数のコンテンツを用意していたりとバラバラという印象でした。
そのため、「うーん、当社はどうしたらよいのだろう…」と悩みましたが、
- 当社の社員に本当に伝えるべきことは何なのか
- web社内報を読んで社員にどうなってほしいのか
- 担当者として私はどういうweb社内報にしたいのか
を考え、一番伝えるべきは「社内ニュースや人の紹介を通じた企業風土」だと考えました。
当社は創業からの歴史も浅く、中途入社の社員も多い会社ということもあり、固有の社内風土が浸透していない会社です。
「らしさ」はどこかにあるけど表面化していない。そこで、「らしさ」を伝えられるような取り組みや、人の考えを記事にして、「こういう取り組みウチらしいよね」「こんな風に頑張っている人がいるんだ」と「企業風土」が社員の中に浸透していくことを目指すことにしました。

正解はないから、自社では何を伝えるべきかを考えよう!
どこの環境にwebサイトを構築するか
伝えることが決まったので、次に考えるべきはどうやってサイトを制作するかです。
サイト制作をする環境としては、「社内サーバー環境」「社外サーバー環境」の2つがあります。
どちらのサーバーを使用してもよいですが、下記は事前に考えた方がよいです。
- 社内以外の人にも見てほしい場合は「社外サーバー環境」を選択すべし
- 自分たちで更新作業をしていくことを考えると、CMS(簡単に投稿できる機能)を使えるサイトにすべし
- 後から移行するのは手間がかかるので、最初に目的に合わせた方を選択するべし
当社は「Microsoft SharePoint」の契約をもともとしており、その機能を使って、イントラサイト内に簡単にサイトを作れる状況でしたので、「社内サーバー環境」の方を選択しました。
簡単とはいっても、それなりのサイトに仕上げようとすると、ページ構成やデザインの検討、ロゴやバナーの制作、SharePointアプリを使ったサイト制作が必要で、それらを一人で対応したのでなかなか苦労しました。

システム部門に協力してもらおうと相談したら、分厚い本を数冊渡されたっていうね…
WordPressでのブログ制作経験者やIT経験者でしたらどうにかなるとは思いますが、あまり慣れていない担当者の場合、サイト制作までは外注か社内のシステム部門に協力を求めた方がよいかと思います。
企画からたった1カ月でのサイト公開

急ピッチで進めた当プロジェクト、企画から1カ月後にはweb社内報サイトが形になりました。
最初は上手くいくか不安に思っていましたが、運用を始めてみたら、こんなうれしい声をかけてくれる社員も出てきて上々の立ち上がり。
- 「最近会社が変わってきたなって感じる」
- 「会社の裏側を知れて面白い!」
- 「次は◯◯も載せてほしい」
正直、常にネタを仕入れて、取材して記事を書いていくのは大変です。
社員全体からすると閲覧率は3割程度という現状なのでまだまだ改善点はあります。
エンゲージメントが高い社員は見てくれるけれども、そうではない社員にも興味を持ってもらうにはどうしたらよいかという課題は残ります。
それでも、web社内報は、社内風土に触れられるタッチポイントを増やすという意味でやってみた価値はあったと思います。
まとめ: 予算ゼロでもweb社内報は運用できる
この記事では、予算ゼロでweb社内報を制作した事例を書いてきました。
- どういう内容を伝えたいかというメインコンセプトを持とう
- どこの環境にwebサイトを構築するかはしっかり事前検討しよう
一番伝えたいことは、「低予算でもやる気があればweb社内報の運用はできる!」ということです。

web社内報制作に取り組もうとしている広報担当者の参考になったらうれしい
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